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Text File  |  1998-12-06  |  28KB  |  396 lines

  1. Data Rescue 2.1.1J(日本語版)マニュアル
  2. ©1998, Sylvain Demongeot & E-WA
  3.  
  4. 内容:
  5.  
  6. ・ Data Rescue ってなに?
  7. ・ Data Rescue の使用方法
  8. ・ その他
  9.  
  10. Data Rescue ってなに?
  11.  
  12. Data Rescue は、Macintosh の損傷したボリュームの内容を復元するツールです。クラッシュしたハードディスク・フロッピーディスク・リムーバブルディスクなどからファイル・フォルダを復元させることができます。復元したデータは他のメディアに保存され、問題の発生したディスクには手を加えません。
  13.  
  14. Data Rescue の特長は、消失ファイルを探しだす手法に、"Norton Utilities" 他の同種ツールとは異なる独自の手法を採用していることにあります。このため、他の同種ツールが検知できない消失データを見つけだすことができるだけでなく、消失データの元々のアイコン・日付・フォルダ階層に至るまでを復元することができるのです。
  15.  
  16. "Norton Utilities" などの既存のツールはファイルの断片を探しますが、Data Rescue はカタログの断片を探します。カタログとは、ファイルやフォルダの所在を管理するためにシステムが維持するファイルのことです。カタログの断片を発見することができれば、データを非常に効率よく復元することができます。なぜなら、カタログにはファイルに関する様々な情報(容量、タイプ、階層やディスク上の配置など)が含まれているからです。
  17.  
  18. Data Rescue を使用すれば、消失したデータのほとんどすべてを復元できる場合が非常に多いことでしょう。Data Rescue は操作が簡単で、処理も高速ですし、安全です。しかも HFS+(MacOS 拡張フォーマット)のボリュームにも対応しています。
  19.  
  20. Data Rescue のシェアウェア代金は US$39.00 です。ご登録いただくまでは試用モードとなっており、1 回の使用につき 1 ファイルしか復元することができません。まずは Data Rescue の有効性をご確認ください。
  21.  
  22. 登録はとても簡単です。添付ドキュメント「Data Rescue の登録について」に説明がありますのでご覧ください。
  23.  
  24. Data Rescue は試用 OK ですが、試用に際してもなんら危険性はありません。なぜなら;
  25. -Data Rescue は元ディスクに一切手を加えません。
  26. -Data Rescue がデータ復元に効果あり、と確認された上でご登録いただければ結構です。
  27.  
  28. Data Rescue はサイズ的にも小さく(約 350KB)、フロッピーディスクに入れて利用することもできます。緊急用ディスクに Data Rescue のコピーを入れておくとよいでしょう。
  29.  
  30. Data Rescue の使用方法
  31.  
  32. ・ 動作条件
  33.  
  34. Data Rescue は System 7 以降で動作します。MacOS 8.5 にも対応しています。必要な空きメモリ容量は最低 512KB ですが、大容量ボリュームの復元には、より多くの空きメモリ容量を必要とする場合があります。
  35. Data Rescue は PowerPC コンピュータ用に最適化されていますが、680x0 系のマシンでも動作します。
  36.  
  37. Data Rescue 日本語版では、表示フォントに Osaka および Osaka-等幅が指定されています。日本語環境(MacOS 日本語版、および英語版 + Japanese Language Kit)でお使いになる限りにおいては、どちらのフォントもインストールされているかと思いますが、念のためご確認ください。
  38.  
  39. Data Rescue は様々な状況に対応できるように設計されています。例えば:
  40. - Data Rescue はあらゆるメディアの種類 (フロッピーディスク、ハードディスク、zip、jazz、光磁気ディスクなど)に対応しています。
  41. - Data Rescue はマウントできないボリューム、ドライバが破損したボリュームですらも扱うことができます。
  42. - Data Rescue はパーティションマップが破損したディスクも扱うことができます。
  43. - Data Rescue は新旧の SCSI および IDE(ATA)のディスクに対応しています。
  44. - Data Rescue は HFS+(MacOS 拡張)フォーマットのボリュームに対応しています。
  45. - Data Rescue は大容量(4GB あるいはそれ以上)のボリュームを扱うことができます。
  46. - Data Rescue はパスワードプロテクトの施されたボリュームを扱うことができます(データにスクランブルがかかっていない限り)。
  47. - Data Rescue は非ローマンスクリプトのファイル名表示に対応しています。
  48. - Data Rescue は断片化の生じたファイルも復元できます。
  49.  
  50. Data Rescue は以下の環境で試用され、動作を確認済です:
  51.  
  52.  
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  61.  
  62.  
  63.  
  64.  
  65. しかしながら、Data Rescue でもお役に立てない場合があり得ることはご了承ください。Data Rescue は消失ファイルのありかを特定するために、カタログの断片を探し出して利用します。そのため;
  66. - もし間違ってあるファイルをゴミ箱から捨ててしまった場合、そのファイルはもうカタログ上に記録が残っていないため、Data Rescue では復元できません。
  67. - もし間違ってあるボリュームを初期化してしまった場合、そのボリュームのカタログは完全に消去されてしまっているため、Data Rescue にはファイルを探し出すことはできません。
  68.  
  69. また、データを復元する際には、別のデバイス上にいくらかの空き容量が必要となります。同一ディスク上のあるパーティションから他のパーティションへデータを復元することも可能ですが、あまりお勧めできることではありません。Data Rescue では、問題の発生したディスクそのものを修復することはできないのです。
  70.  
  71. ・ 操作の概要
  72.  
  73. 操作の基本は次の通りです;
  74.  
  75. - データを復元させるボリュームを選択します。
  76. - Data Rescue が対象ボリューム上のカタログのフラグメントを解析し、復元可能なファイルをリスト表示します。
  77. - 復元したいファイルまたはフォルダを選択します。
  78. - Data Rescue は復元したデータを別のデバイス上に保存します。
  79.  
  80. 重要:問題の発生したディスクを再フォーマット(または初期化)する前に、データがきちんと復元されているかどうか、確認を怠らないように。復元されたと思っていたら実は... などということもあり得ます。 このドキュメントの後にある「アロケーションブロック配置」の章にて詳説します。
  81.  
  82. Data Rescue を初めて使用する際には、まずはこのドキュメントをじっくりお読みください。操作手順を誤った場合、データの復元に失敗することもあります。
  83.  
  84. 次の章にて、Data Rescue を使ってクラッシュしたディスクからデータを復元させるための手順を、順を追って説明します。
  85.  
  86. ・ Data Rescue の起動
  87.  
  88. Data Rescue には 68K と FAT の 2 バージョンがあります。68K バージョンの方がサイズ的には小さいですが、PowerPC 搭載マシン上では FAT バージョンの方が高速に動作します。どちらのバージョンもすべての Macintosh で動作します。
  89.  
  90.  
  91.  
  92.  
  93.  
  94. Data Rescue を起動すると、まず最初にあなたのお名前と登録番号をたずねてきます。すでに Data Rescue を登録済であれば、それぞれを入力した後に「登録」ボタンをクリックしてください。くれぐれも、お名前は登録時に記載した通り、正確に入力するようにしてください。「登録」ボタンをクリックすると、「登録データ」という名称のファイルが Data Rescue 本体と同じフォルダに作成されます。このファイルにはあなたの登録番号が記されており、Data Rescue はこのファイルを参照します。Data Rescue 本体を別のフォルダやディスクに移動する際には、必ずこのファイルもいっしょに移動するようにしてください。そうしないと、Data Rescue を起動した際に、またお名前と登録番号をたずねてきます。Data Rescue を CD-R やライトプロテクト(書き込み禁止)のかかったメディアにコピーする際にも、必ずこの「登録データ」ファイルをいっしょにコピーしてください。さもないと、起動するたびに登録番号を入力するはめになります。
  95.  
  96. まだ登録されておらず、Data Rescue を試しに使ってみる場合には、「後で」ボタンをクリックしてください。Data Rescue は起動しますが、復元できるファイル数は 1 ファイルに制限されます。もっと多くのファイルを復元したい場合には、Data Rescue を終了し再度起動しなおしてください。
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  98.  
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  112. ・ ボリュームの選択
  113.  
  114. Data Rescue を起動すると、まず SCSI および IDE バスをスキャンし、使用可能なボリュームを検出し(この動作には数秒かかります)、デバイスリストに表示します。「詳細情報の表示」をチェックすると、各ボリュームのハードウェア情報(バス、ID)が表示されます。
  115.  
  116. リストに表示されないボリュームがある場合には、「デバイスリストの再作成」ボタンをクリックしてください。もしディスクのパーティションマップが損傷している場合、ボリューム名ではなくそのディスクのメーカー名が表示されますが、バスやID(または容量)から目的のボリュームを特定することはできるでしょう。
  117.  
  118. ある特殊な状況下では、リストの中に同じボリュームが複数回表示される場合があります。
  119.  
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  138.  
  139.  
  140.  
  141.  
  142. 目的のボリュームが HFS+(MacOS 拡張)フォーマットであれば、スタートする前に「HFS+(MacOS 拡張)フォーマット使用」のボックスをチェックしてください。もしあなたが HFS+ とは何であるかご存知でないのなら、おそらくあなたのボリュームは HFS+ ではないと思われます。HFS+ とは、MacOS8.1 で初めて採用された新しいファイルシステムのことです。現時点では、工場出荷時には HFS(MacOS 標準)で初期化されているボリュームがほとんどのようです(訳注:PowerBookG3 シリーズや iMac など新しい機種の内蔵ハードディスクは、HFS+ にて初期化済)。目的のボリュームが実は HFS であるのにもかかわらず上記ボックスをチェックした場合には、一切のファイル検出が不可能になります。また、実は HFS+ のボリュームであるにもかかわらず上記ボックスをチェックしなかった場合には、役に立ちそうにないファイルがいくつか検出されるだけに終わります。
  143.  
  144. スタートする前に、次項での説明にしたがっていくつかオプションを設定しましょう。それが済んでから「スタート」ボタンをクリックしてください。Data Rescue は選択されたボリューム上のカタログの断片をスキャンし、また(オプションで異なる設定をしない限り)アロケーションブロック配置の検出を試みます。
  145.  
  146. ボリュームやオプションの変更などで作業を中止したい場合には、スキャン作業中に現れるウインドウ上の「中止」をクリックしてください。Data Rescue がスキャン作業を終えた後でも、「ファイル」メニューの「新規ボリュームの復元...」を選択すれば「ボリュームの選択」ウインドウに戻ることができます。
  147.  
  148. ・ Data Rescue の設定
  149.  
  150. 「ファイル」メニューの「設定...」を選択すると、各種設定の変更ができます。設定項目の大半はスキャンの際にのみ意味のある内容なので、敢えてここにひとまとめにしてあるのです。設定の変更結果は、システムフォルダ内の「初期設定」フォルダの中に保存されます。通常の場合、インストール後の設定内容のままで特に問題はないでしょう。
  151.  
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  170. ・ スキャンの高速化:このボックスをチェックすると、カタログ断片の検出対象としてディスクの 2% のみをスキャンします。スキャンの所要時間はかなり短くなりますが、スキャンもれファイルが発生する可能性もあります。一般的には、どのボリュームでも最初の 2% 以内にカタログファイルが含まれています。ある特定のファイルを復元したい場合には、まずは高速スキャンを試してみて、もし目的のファイルが見つからなかったら、チェックを外して完全スキャンを実行してください。ボリューム全体を復元したい場合には、このボックスはチェックしない方がいいでしょう。次で説明する「パーティション無視」をチェックしている場合には、高速スキャンは失敗する(ドライバの使用領域をスキャンしてしまう)場合がありますのでご注意ください。
  171.  
  172. ・ パーティション無視:このボックスをチェックすると、パーティションが無視されます。つまり、ディスク全体(パーティションマップやドライバ領域を含め)が 1 つのボリュームとして認識されます。ディスクをパーティション分けしている場合(同一ディスク上に複数のボリュームがある場合)には、当機能は使用しないでください。当機能を使用している場合、ボリュームによってはデバイスリストに 2 度(ボリュームとして、またディスク全体として)表示されることがありますのでご注意ください。パーティションマップが損傷していると思われる場合にのみ、このボックスをチェックするようにしましょう。ただしこのボックスがチェックされている/いないにかかわらず、パーティションマップが怪しい状‘'になっているディスクに関しては、Data Rescue は自動的にパーティションを無視することがあります。そのような場合には、デバイスリスト上にボリューム名でなくディスクのメーカー名が表示されますので、パーティションが無視されたことがわかります。
  173.  
  174. ・ アロケーションブロック配置の自動検出:アロケーションブロック配置というのは、ファイルを正しく復元するのに必要なパラメータのセットのことです。それらパラメータの意味するところについては、次項で詳説します。このオプションが選択されていると、Data Rescue は自動的にそれらのパラメータの検出を試みます。選択されていない場合には、各パラメータにユーザが指定した値を使用します。「高速化」ボックスをチェックすると、Data Rescue は(通常 200 ファイルのところ)10 ファイルのみを使用して計算を行います。アロケーションブロック配置の値を指定する場合、入力した値は初期設定ファイルには保存されませんのでご注意ください。
  175. 推奨設定は「アロケーションブロック配置の自動検出」:入、「高速化」:切、です。
  176.  
  177. ・ 障害ファイルの表示色:これは復元作業に関係した設定項目です。復元の際にエラーが生じたファイルに、ここで選択した色(ラベル)をつけることができます。「変更しない」を選択すれば色はつきません。色のバリエーションは Finder の「ラベル」の色に準じた 7 色です。
  178.  
  179. ・ 消失データをゼロで置換: これも復元作業に関係した設定項目です。ファイルの復元中に読み取りエラーが生じた場合(記録メディアに難がある場合など)、このボックスがチェックされていると、エラーで失われたデータ部分にゼロを書き込み、残りのデータ部分の復元を続行します。当オプションが使用されていない場合には、エラーが生じたファイルの残りデータは読み取れないのでスキップされ、次のファイルの復元作業へと進みます。
  180.  
  181. 各項目の設定を完了したら、「OK」をクリックしてください。
  182.  
  183. ・ アロケーションブロック配置について
  184.  
  185. このセクションでは上級ユーザー向けの話題、アロケーションブロック配置についてご説明します。アロケーションブロック配置にまつわるトラブルに遭遇していない限りは、ここは読み飛ばしていただいても結構ですが、それでもこれだけは覚えておいてください:
  186.  
  187. 重要:ファイルの復元を始める前に、いくつかのファイルの内容を見て、それらの内容が適正なものであるかどうかをチェックしてみてください。これにより、アロケーションブロック配置に誤りがなく Data Rescue によるファイル復元が正しく機能するか否かを、事前に確認することができます。 
  188. - まず、テキストファイル(タイプが 'TEXT' のファイル)を選択します。次に「ブロック」メニューより「このファイルの DATA を別ウインドウに表示」を選択し、右コラムに表示されるテキストの内容が適正か否かをチェックします。
  189. - 次に、リソースを含むファイル(例:アプリケーション、タイプ 'APPL')を選び、「このファイルの RSRC を別ウインドウに表示」を選択します。通常、ファイル名が右コラム中に書かれているはずです。
  190. 試しにファイルをいくつか復元してみるのもいいでしょう。その場合には内容確認のために、復元したファイルを開くことのできるアプリケーションのご用意をお忘れなく。
  191. 復元したファイルが適正な内容であったならば、アロケーションブロック配置には誤りはありませんので、安心して次項に読み進んでください。何か問題があった場合には、この項をよく読んでください。
  192.  
  193. Macintosh では、ボリュームを構成する最小単位は「論理ブロック」と呼ばれる 512 バイト単位のブロックです。一方、ファイルは512 バイトの整数倍の容量を持つ「アロケーションブロック」の集合として記録されています。ファイルの所在は、アロケーションブロック単位でカタログ上に記録されているのです。次の計算式により、対応する論理ブロックを算出することができます:
  194.  
  195. 論理ブロック = アロケーションブロック x a + b
  196.  
  197. a は 1 アロケーションブロックあたりの論理ブロックの数、b は先頭のアロケーションブロックの論理ブロック番号です。この a と b がすなわちアロケーションブロック配置です。a と b は異なるボリューム上では異なる値となります。
  198.  
  199. Data Rescue はカタログよりアロケーションブロックの番号を読み取る一方、ディスク上の検索には論理ブロックを利用しますので、a と b の値からファイルの復元を行えるわけです。仮に a または b の値に誤りがあった場合、復元されたファイルは一見(容量やアイコンが)適正に見えても、内容はランダムな(意味をなさない)データのかたまりになってしまいます。これが、事前にアロケーションブロックに誤りがないかどうかの確認をお勧めする理由なのです。
  200.  
  201. Data Rescue がアロケーションブロック配置を自動検出する際には、ボリューム上から 200 ファイルを読み取り、前出の計算式に照らし合わせて、a と b の最適な組み合わせを算出します。200 ファイルを読み取るには結構な時間がかかります。そこで「高速化」を選択すると、10 ファイルだけを読み取るようになります。「高速化」オンで算出された値が怪しいようなら、チェックを外して通常検出をお試しください。幸いなことに、自動検出に失敗することは非常にまれです。
  202.  
  203. アロケーションブロック配置が検出できない場合、Data Rescue は警告を表示します。これは検出作業に必要な数量のファイルを読み出せない場合などに起こります。こうなった場合、または Data Rescue が算出した値が誤っている場合には、オプションのウインドウで a と b の値を指定する必要があります。a は「ブロックサイズ」、b は「ベースブロック」と呼ばれます。
  204.  
  205. a と b の値を指定するには、「ファイル」メニューから「設定...」を選択します。次に「値を指定:」ボタンをクリックし、a と b の値を各々下と上のボックスに入力します。値を指定したら、前述したようにファイルの内容をいくつかチェックしてみましょう。もし適切でないようなら値を変更してください。
  206.  
  207. Data Rescue はディスクをスキャンする際に、ディスクの容量から a と b の値を割り出します。また、これらの値をボリュームの「マスターディレクトリブロック(MDB)」からも読み取ります。これらはすべてレポートにログ出力されます。レポートを読むには、「レポート」メニューから「レポートの表示」を選択してください。レポートの内容は例えば次のような形になります:
  208.  
  209. アロケーションブロック配置について:
  210. ボリューム情報(MDB)によれば、基本ブロック = 19、ブロック容量 = 8
  211. 代理MDBによれば、基本ブロック = 19、ブロック容量 = 8
  212. ボリューム容量から推測される最適値:基本ブロック = 19、ブロック容量 = 8
  213.  
  214. 注: a が「ブロック容量」、 b が「基本ブロック」となります。「代理 MDB」とは、マスターディレクトリブロック(MDB)のバックアップのことです。
  215.  
  216. a と b の値をいくつに設定していいかわからないのならば、とりあえずはレポート内に示された値に従ってみましょう。それから、近い値を試してみましょう。時たまですが、a の値は Data Rescue による推定値のちょうど 2 倍の値になることがあります。
  217.  
  218. HFS のボリュームでは、b はたいてい 19 前後です(a はボリュームの容量によって変化します)。
  219. HFS+ のボリュームでは、a は 2 の乗べき(大抵の場合 8)となります。他のツールでは初期化に際して a の値を選択させられるものがありますが、ブロック容量が 512 バイト(1/2 KB)なら a = 1、1KB なら a = 2、などとなります。
  220.  
  221. もし Data Rescue があなたの復元させたいファイルを見つけることができなかった場合、アロケーションブロック配置の値を指定しても無駄です。 いずれにせよそのファイルは復元できないのです。
  222.  
  223. ・ 「ファイルの復元」ウインドウの使用
  224.  
  225. ボリューム上のカタログの断片をスキャンし、また必要に応じてアロケーションブロック配置を検出し終わると、新たなウインドウ「ファイルの復元」が開きます。
  226.  
  227. Data Rescue によって検出されたファイルが、名前・タイプ・クリエータ・容量・修正日の情報とともにリスト表示されます。Macintosh 標準の「開く」ウインドウと同様、フォルダをダブルクリックすることにより下の階層へ、またリストの上にあるポップアップメニューにより上の階層へ移動することができます。
  228.  
  229. ルートレベル(階層の最上位)に「不明フォルダ」という名前のフォルダが現れることがあります。これは、カタログから関連情報(名前や、フォルダ階層中の位置)が読み取れず、またその中にファイル・フォルダが存在するようなフォルダのことです。
  230.  
  231.  
  232.  
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  250.  
  251.  
  252. ファイルの表示は「ソート」ポップアップメニューの選択に応じて、名前・容量・日付・タイプ・クリエータのいずれかでソート(並び替え)することができます。
  253.  
  254. 名前・容量・日付・タイプ・クリエータのいずれかを指定して、ファイルを検索することもできます。例えば、1998 年 8 月 1 日以降に修正されたファイルを検索する場合、「検索」メニューで「日付 >」を選び、「検索」ボックスに「8/1/98」と入力して、「検索開始」をクリックしてください。Data Rescue は検索条件に合致する項目を含むフォルダにジャンプします。検索条件に合致する項目を含むフォルダが複数存在した場合、「次のフォルダ」「ひとつ前のフォルダ」ボタンを使って移動してください。
  255.  
  256. ファイル・フォルダをリスト表示から隠すこともできます。Data Rescue は隠された項目は復元しません。ボリューム全体を一度に復元させるような場合、サブフォルダなどに含まれる必要のない項目を隠しておけば、復元後になって必要のない項目を削除する手間が省けます。ファイル・フォルダを隠すには、それらをリストから選択し、「隠す」をクリックします。ボリューム上のすべてのファイルを表示させるには「すべて表示」をクリックします。
  257.  
  258. 隠すべき項目には、以下のようなものがあげられるでしょう;
  259. -実際にはディスク上に存在しない、仮想アイテム。大抵の場合、妙な名前がついています。Data Rescue にとってはこれらがファイルやフォルダに見えてしまうので、リストに表示されてしまうのです。仮想アイテムのファイルは非常に大きくなることがあり、復元しようとするメディアに害を及ぼす場合もあり得ます。
  260. -重複している項目。Data Rescue が複数のカタログエントリーを検出した場合には、同一ファイル・フォルダが重複して表示されることがあります。適正なものを探し、他はすべて隠しましょう。
  261. -復元の必要性が低い、大容量ファイル。例えばオリジナルディスクや CD-ROM などから再インストールできるアプリケーションなど、です。「検索」機能を使って大容量ファイルを探しましょう。
  262. -システムフォルダ。どのみち Apple の CD-ROM からクリーンなシステムを再インストールしたくなることでしょうから、古いものは必要ありません。しかしながら、「初期設定」フォルダや、サードパーティのソフトウェアがシステムフォルダにインストールしたファイルなどは、復元の対象となり得ます。
  263. -Trash(ゴミ箱)や、'Desktop database' などのテンポラリファイル/フォルダ、システムが使用するファイル/フォルダなど。
  264.  
  265. 復元しようとするファイル/フォルダが見つかったら、それらを選択し「復元」をクリックしましょう。次に、復元したファイルの保存先を指定します。言うまでもないことですが、現在復元中のボリューム上に保存してはいけません。「復元データ #<数字>」という名前の新規フォルダが作成され、復元したファイル/フォルダはその中に保存されます。ファイルをいくつか開いてみて、きちんと復元されているかどうかを確認しましょう。また、「レポート」メニューから「レポートの表示」を選択し、表示されるレポートに目を通してください。
  266.  
  267. 重要性の高いファイルを復元した後には、常に確認を怠りなく。Data Rescue は元のディスクには一切手を加えませんので、もし Data Rescue が復元に失敗した場合でも、他の方法によりやり直すことが可能です。ディスクを再フォーマットあるいは初期化してしまった後では、Data Rescue にはデータを復旧できなくなってしまうおそれが多大にあります。とにかく、ディスクを修復しようと試みる前に、まずは Data Rescue のような「非破壊的」な方法を試みるのがよいかと思います。
  268.  
  269. ・ ブロックレベルツール
  270.  
  271. Data Rescue には、ディスクのブロックを表示したり保存したりすることができる、ブロックレベルツールが装備されています。
  272.  
  273. ブロックを表示するには、「指定番号のブロックを別ウインドウに表示...」を選択し、表示させたい論理ブロックの番号を入力します。すると現在選択されているボリューム上の該当ブロックが表示されます。また、あるファイルを選択し、「このファイルの DATA(または RSRC)を別ウインドウに表示」を選択すれば、そのファイルのデータフォーク(またはリソースフォーク)の先頭ブロックを表示させることもできます。この場合、読み取られる論理ブロックはアロケーションブロック配置に依存します。
  274.  
  275.  
  276.  
  277.  
  278.  
  279.  
  280.  
  281.  
  282.  
  283.  
  284.  
  285.  
  286. 左端の列にある番号は、そのブロックのオフセット値(16 進表示)です。次にそのブロックのデータが 16 進と ASCII で表示されます。次の(またはひとつ前の)ブロックを表示させるには、「ブロック」メニューより「次のブロック」(または「ひとつ前のブロック」)を選択します。また、「ブロック番号指定...」を選択すれば、特定のブロックへジャンプすることもできます。
  287.  
  288. データの内容が日本語テキストなどの場合、ASCII 表示で部分的に文字化けが発生することがあります(上図参照)。これはプログラムの不具合ではなく、日本語の文字表示に 1 文字あたり 2 バイトが使用されている以上回避のしようがないことですので、ご了承ください。
  289.  
  290. ディスクのパーティションマップを見たい場合には、「パーティション無視」に設定してください。パーティションマップはボリューム毎に存在するものではない(ディスク毎に存在する)からです。それから、ブロック表示ウインドウからはブロック内容の編集はできませんのでご了承ください。
  291.  
  292. ブロックを他のメディアに保存するには、「ブロック」メニューから「ブロックの新規保存...」を選択してください。すると次のようなウインドウが開きます:
  293.  
  294.  
  295.  
  296.  
  297.  
  298.  
  299.  
  300.  
  301.  
  302.  
  303.  
  304.  
  305.  
  306.  
  307.  
  308.  
  309.  
  310.  
  311.  
  312.  
  313. ブロックを保存する先を選択し、保存する論理ブロックの先頭にあたるブロックの番号と、保存する論理ブロックの数を入力します。保存されるファイルのタイプやクリエータを指定することもできます。ブロックを保存するには「保存」をクリックしてください。
  314.  
  315. ・ Data Rescue レポート
  316.  
  317. Data Rescue はコメントやエラーを「レポート」ウインドウに表示します。「レポート」メニューより「レポートの表示」を選択すると見ることができます。このウインドウ内容は編集できませんが、「レポート」メニューより「レポートの新規保存...」を選択することにより、内容をテキストファイルとして保存することができます。また、「レポート」メニューより「レポートのログ出力...」を選択すれば、レポートの内容を指定ファイルに対し連続的にログ出力することも可能です。保存/出力されたファイルは 'SimpleText' などのベーシックなテキストエディタで開いたり印刷することができます。
  318.  
  319. ・ 「レポート」メニューから「システム構成のレポート」を選択することにより、あなたのコンピュータの構成に関する有用な情報(Data Rescue の使用状況、ハードウェアの構成、システムソフトウェアの構成、機能拡張・コントロールパネル類のリスト)を得ることができます。
  320.  
  321. ・ 「レポート」メニューから「ファイル/フォルダ一覧」を選択することにより、現在選択しているフォルダ内にあるファイル/フォルダをすべてリストアップすることができます。
  322.  
  323. ・ 「レポート」メニューから「ファイル/フォルダ情報の表示」を選択することにより、現在選択しているファイルやフォルダに関する情報(ファイル/フォルダ ID、タイプとクリエータ、リソースフォークの容量、作成日と修正日、アロケーションブロック番号)を表示させることができます。
  324.  
  325. ・ 「レポート」メニューから「レポートの消去」を選択すると、レポートウインドウの内容が消去されます。
  326.  
  327. レポートウインドウ中に表示できるのは最大 500 行までです。500 行を超えると、1 行めから順に削除され、新たな行が表示されます。長尺なレポートを記録しておくには、「レポートのログ出力...」を利用してファイルにログ出力しましょう。
  328.  
  329. ・ バージョン 2.1.1 での制限事項
  330.  
  331. - ブロックレベルの表示画面では、編集はできません。
  332. - ブロックレベルツールには、テキストおよび16進コードの検索機能はありません。
  333. - 0 以外の論理ユニット番号(LUN)はまだサポートされていません。ディスクアレイなどではこれが問題となる可能性があります。
  334. - バルーンヘルプはありません。
  335.  
  336. その他
  337.  
  338. ・ 権利/許諾関係
  339.  
  340. Data Rescue 2.1.1J と当ドキュメント の著作権は作者の Sylvain Demongeot 氏 に、日本語翻訳部分の著作権は訳者の Yuzuru Shiraiwa(a.k.a. E-WA) にあります(©1997-1998, Sylvain Demongeot & E-WA)
  341.  
  342. Data Rescue 2.1.1J と当ドキュメントは、オリジナルのアーカイブ(配布ファイル)に変更を加えないという条件のもと、非商用目的の限りにおいて、再配布していただいて結構です。ただし;
  343.  
  344. - BBS や FTP サイトなどへの転載に際しては、事後で結構ですので訳者までご一報ください。
  345. - 雑誌付録や CD-ROM 等に収録される場合には、作者と訳者に収録物の見本をお送りください。
  346.  
  347. 商用目的での再配布には、作者および訳者の許諾を必要とします。
  348.  
  349. Vincent Berville と Paul K殄n の提案、試用と助力に感謝します。
  350.  
  351. 日本語版制作にあたって試用や助言をいただいた、以下の方々に感謝します(敬称略):Yuji Yamase、Hiroki 'Smooth' Suzuki、Atsuhiko Niwa
  352.  
  353. CIconButton CDEF from Digital Alchelmy
  354. © Ramon M. Felciano 1993, All Rights Reserved
  355.  
  356. 消防士のヘルメットについて:
  357. 「Data Rescue について...」に登場するヘルメットは、'R1Antiques Cybermal' にあったアンティークの消防士用ヘルメットの画像を編集したものです。この画像の使用許可をくださった Ron Clapp に感謝します。おそらくこの消防士用ヘルメットはもう売られていないと思いますが、このサイトには他にも素晴らしいアンティークが盛り沢山です。<http://www.r-one.com/antiques/> をご覧になってみてください。
  358.  
  359. 非常に優れたブロックレベルのディスク編集ツールとして、David Shayer による 'Sedit' をおすすめします。最新バージョンは <ftp://members.aol.com/sentientsw/> より入手できます。
  360.  
  361. 最新バージョンの入手は <http://www.wildbits.com/rescue/index_j.html> へどうぞ。
  362. 電子メールによるサポート(登録ユーザー対象、日本語):<supportj@wildbits.com>
  363. ご意見ご要望やバグレポートなど(日本語):<reportj@wildbits.com> 
  364. 郵便の宛先:Sylvain Demongeot, 34 Chemin Lat屍al, 94140 Alfortville, France(こちらでは登録は受け付けません)
  365.  
  366. ・ バージョン履歴
  367.  
  368. ・ 2.1.1J(1998 年 11 月)
  369. 2.1.1 英語版をベースに日本語化。
  370. 表示フォントを Osaka および Osaka-等幅に固定。
  371. 日本語表示のためにリソースの構成を多少変更。
  372.  
  373. (訳注:これ以前のバージョン履歴は、英語版に添付の "Data Rescue 2.1.1 docs" をご参照ください)
  374.  
  375. ・ 保証について
  376.  
  377. 当ソフトウェアの使用に際しては、当ソフトウェアはいかなる種類の保証なしに「現状のまま」にて提供されるものであることをご理解ください。当ソフトウェアを使用された結果などに関するリスクは、すべてユーザー側が負うものとします。作者は、当ソフトウェアに関しては、一切の保証(明示的、黙示的を問わず)はいたしません。そのような保証には、特定の目的への市場価値および適合性に関する黙示的保証などが含まれますが、これらに限りません。作者は、当ソフトウェアの使用の結果として生じる、いかなる(直接、偶発的、必然的を問わず)損害(重要データの消失、利益の損失、業務遂行上の障害などが含まれるが、これらに限るものではない)に対しても、一切責任を負わないものとします。
  378.  
  379. ご意見ご感想やバグレポートなどには感謝しますが、ユーザーが発見したいかなる問題に関しても、作者はそれらを修正する責務を負うものではありません。作者は、どの時点においても、当ソフトウェアの改変・改良・機能追加・他関連事項の変更をおこなう権利を保持します。
  380.  
  381. ・ 日本語版について
  382.  
  383. Data Rescue 2.1.1J (日本語版)は、Data Rescue 2.1.1(英語版)を、作者 Sylvain Demongeot 氏の了解と協力のもとに日本語化したものです。機能は英語版とまったく同一です。余暇を費やしたボランティア的な作業ですので、誤訳や強引な意訳など至らない点もあるとは思いますが、ご容赦ください。開発環境は LC630+MacOS8.1J、PowerMacintoshG3 DT266+MacOS8.5J です。
  384.  
  385. この日本語版に関するご意見ご感想などは、<ewa4618@kagi.com> 宛にどうぞ。
  386.  
  387. この書類は、Data Rescue 2.1.1(英語版)パッケージ添付の "Data Rescue 2.1.1 docs" を翻訳し、加筆修正したものです。
  388.